アスパラガスとアスパラではどちらが使われているか?

アスパラガスはよくアスパラと省略した言葉で使われることがあります。

実際問題、アスパラガスとアスパラではどちらがよく使われているでしょうか?

それを調べるために、Google検索で2つの言葉を調べてみました。

Google検索による「”アスパラガス”」と「”アスパラ”」の検索数の比較

アスパラガス → 約 9,420,000 件

アスパラ   → 約 21,800,000 件

結果はアスパラと省略した言葉がアスパラガスの約2倍の検索結果があることがわかりました。

Googleでは””ダブルクォーテーションで検索したいワードを挟むことで、完全一致検索をすることができます。

よって、今回アスパラガスという検索結果の中にアスパラと省略したものがヒットしているものはないはずです。

一方で、アスパラと検索した数字のなかに、アスパラというワードは残念ながら含まれてしまいます。

しかしながら、アスパラという検索結果からアスパラガスを取り除く方法がGoogle検索には備わっていまして、除外したいキーワードのすぐ前に半角のマイナス記号「-」をつけることで、目的の検索結果が得られるのです。

「アスパラ -アスパラガス」という検索ワードで検索した結果が以下のものです。

アスパラガス → 約 9,420,000 件

アスパラ   → 約 14,200,000 件

結果はそれでもアスパラという言葉がアスパラガスという言葉に比べ1.5倍ほどの検索結果数となりました。

なぜ「アスパラガス」というキーワードより「アスパラ」というキーワードの方が検索結果数が多くなるのか?

今回改めて2つのキーワードを検索することで使い方の違いが見えてきました。

アスパラという言葉が使われるときは、前や後ろに何か言葉がつながることが多いです。

たとえば、「グリーンアスパラ」という場合や、「アスパラレシピ」などといったようにです。

もちろん「グリーンアスパラガス」、「アスパラガスレシピ」という言い方も見られましたが、何か言葉に修飾したりする場合には、アスパラと省略した方が言いやすいことが少しは影響していると考えられます。

一方で、「アスパラガス」という検索ワードは、Wikipediaなどの百科事典サイトや、企業のサイトなどで使われている場合があります。

これらのサイトはより正確な言葉で伝えるという意味で、「アスパラガス」と省略しない形で使われることが多いと考えられます。

「アスパラガス」と「アスパラ」の使い分け

アスパラガスとアスパラの使い分けに関して、メディアでの使い分けはどうなっているかということを調べた記事があったので紹介します。

新・ことば事情 4864「アスパラか?アスパラガスか?」という記事によると、

そこで2012年(今年)2月の新聞用語懇談会放送分科会で質問しました。

「『アスパラガス』は、省略せずに使いますか?それとも『アスパラ』という形を使いますか?『エビとアスパラのいため物』のようなケースはどうでしょうか?」

これに対して各社の回答は、

(毎日放送)単体では「アスパラガス」と言うが、「グリーンアスパラ」「ホワイトアスパラ」などは「アスパラ」と言っている。

(テレビ大阪)料理番組に出てくる専門家(お料理の先生)は「アスパラ」と言っているようだ。

(毎日放送)表記は「アスパラガス」としているが、コメントでは「アスパラ入れます」などと言っている。実際、お店のメニューなどでは「アスパラ」と省略されて出てくる。

(日本テレビ)正式には「アスパラガス」。たとえば、皇室に出すときは省略しないだろう。

(NHK)似たように省略される食材に「ホタテ」がある。正式には「ホタテ貝」。

(テレビ東京)サイドスーパーなどでは「アスパラ」と省略して使っているようだ。

(NHK)昔は、薬の名前(商品名)で「アスパラ○○」というのがあったので、「野菜」を「アスパラ」と省略できなかった。

とのことでした。

新・ことば事情 4864「アスパラか?アスパラガスか?」

と載っていました。(一部引用)

毎日放送の使い分けでは、表記上は「アスパラガス」であるが、口語上では「アスパラ」と言うなどという説明はアスパラという語が言いやすさのために省略されていると理解できるものだと考えます。

また、HNKの似たような言葉として「ホタテ貝」を「ホタテ」と省略させるという説明も同様にわかりやすいです。

まとめ

今回は「アスパラガス」と「アスパラ」の使い分け事情について調べました。

Google検索を用いて検索結果数にどのような差があるのか調べた結果、アスパラがアスパラガスに比べて約1.5倍ほど多い検索結果数であることがわかりました。

アスパラガスはアスパラという省略した言い方が世の中に馴染んでいることもあって、アスパラと省略した方が言いやすく、アスパラと省略されるケースが多いように考えられます。

グリーンアスパラやアスパラレシピといったように、前後に言葉が付随する場合はアスパラという場合が多く、一方でアスパラガスという場合はフォーマルなサイトや企業などのサイトで使われているように思われました。

言葉の意味上ではアスパラと表現すれば、アスパラガスのことだと誰もがわかることから、単にアスパラと表現しても十分理解できます。ゆえに、アスパラガスと正式名で使うのは場面によっては冗長的だと考えられます。

字数的には「ガス」というたった2文字ではあるのですが、コミュニケーション上ではこのたった2文字でさえ円滑さを重視するのであれば切り捨てられる部分ではないかと感じました。

個人的には口語ではあまりそうは思わないですが、書き言葉の中で1度もアスパラガスと言わずにアスパラと表現する文章は書き手にアスパラガス愛がないなと思います。

ただ現代では言葉をより短く省略する傾向にあると考えるので(たとえば、「了解」を「り」と略したりするなど)、アスパラガスという言葉はアスパラで十分伝わることからもアスパラガスという表現は今後廃れる可能性があるのではないかと感じました。

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